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新聞記事をちらっと読む。【HIV治療薬開発、熊本大の満屋教授らに「慶応医学賞」】 [研究]

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070926ik21.htm

一度、この満屋先生のセミナーを聞いたことがあるのだが、
エイズ治療薬はウィルスの増殖を抑えることはできても殺すことは出来ないんじゃなかったっけ。
だから感染すれば一生クスリを飲み続けるとか言ってたな(5種類以上)
治療費は無料だとか言っていたけど、個人的にはいずれ有料になるだろうなぁと思ったが。

セミナーの記録したノートは捨ててしまったけど、このエイズ治療薬は結構コンセプトは単純だった。
つか先生の説明がかなり上手かったんやけど。
感染のに必要な分子の阻害と、DNA複製の阻害(ここは酵素を標的としたのと、DNAかRNAに通常とは違う材料を入れてご認識させる2種類の形があったかな)とか。

ドラッカー教授のはグリベックのことだろう。
CMLの治療薬としてはもう8年くらい欧州で実績があるかな。
7割以上で助かるようになったんだから凄い。
ただ分子標的薬としては唯一の成功例かなぁ。。。。

どっちもノーベル賞の生理医学賞クラスの成果なんかな。
俺には凄すぎてワカランww


博士号を捨てて。 [研究]

http://www.asahi.com/edu/university/zennyu/TKY200705220121.html
http://www.asahi.com/life/update/0526/TKY200705260053.html

就職を決意したのはちょうど半年前の11月

学位取得まで残り4ヶ月近くにもなって就職活動を始めた。

試験を受けたのはわずか3社
問い合わせをして駄目だったのは1社
幸いなことに最初に面接を受けた企業で、スムーズに話しが進み年内には、ほぼ決まりだった。

最初は営業で出したのにすぐに研究開発職にまわされた。
営業が駄目という訳ではなく、博士号を持っているなら

より高度な知識と経験を持って、将来には営業に送り込みたい

そういう意図があったことを入社してから知った。

面接との時

博士号を取る人間がなぜ企業に?

何度も聞かれた。
博士はすぐに辞めてしまう。
それが面接を受けた会社の本音らしい。

理由はいっぱいある。

1.結婚がしたかった。

今の彼女と一緒に暮らしたければ、企業で職を得る方が確実だった。
彼女が研究者なら、二人でアメリカに渡る選択肢もあったけど
普通のOLの彼女に任期職の旦那と一緒にフラフラさせる気にはなれなかった。
もちろん、アカデミックの世界で研究を続けたかったし、それが子供の頃からの夢だったけど。
安月給でも良いから、任期無し、そして自分がやりたい(他人からも面白いと言える)研究。
そんな仕事がしたかった。

父親は大学の研究者だ。
俺とは違い、理論の分野で生きており、「紙と鉛筆があれば良い」
そう言っている。

子供の頃は、父親が寝ころんでボールペンを持ち、紙に向かってる背中に乗ってよく遊んだ。
朝はゆっくり起き、夜遅くまで考えこんでいる。
仕事は自分の好きな内容で、職は保証されている(今は公務員じゃないから違うけど)。
能力さえあれば、こんな世界があるなんて羨ましくて仕方なかった。
時間にも生活にも余裕があったから(というか父親は雑学の本を読む以外、無趣味に近い。。)
よく遊んでくれた。

当時はバブルで安月給とも言われた公務員が
今では既得権益の固まりにみえるのだから、世の中ってヤツは信用できないとつくづく思う。
ただ無理はしない生活だったし、兄弟共に大学を出るまで国公立だったからお金に困ることもなかった。

世間からは冷たい目で見られる生活かもしれないけど、
父親の研究室の学生が就職に悩むことはなく(むしろ引っ張りだこ・・・)
本人の研究業績や企業との研究、雑用なども充分世間に貢献していたと俺は思う。

風向きはいつから変わったかは定かではないけど、独立行政法人化した時には
もうアカデミックの世界は完全に生存競争に変わっていた。

安月給、好きな仕事、安定な職

仙人みたいだな・・・・

それが

安月給、プロジェクトの仕事、任期職

・・・・ほとんど水商売?

しかも

助手の公募倍率は200倍かな?(父談)

ついでに助手は

昔より雑務は20倍やで?

だってさ。。

今じゃ企業並みの責任、学生の教育(もはやお守り?)、すぐに役立つ研究
誰が残るんやろね・・・・・。

2.学生支援機構(日本育英会)奨学金
 研究職に残れば、返済期間の猶予から免除へ
そんな仕組みは消えて、1/3の人間が半額あるいは全額の免除。
残りは返済。
借りたモノは返さないといけない。そう考えたら、任期職でいつ無職になるかわからない状態はできない。

無職になれば、返済するのは兄と父親だ。
そんな迷惑は掛けたくない。

免除の基準は決まっていないようなものだ。
業績優秀なものとか学業以外で業績があるとか、取り敢えず「凄いヤツ」と言うべきか。
申請書は出してみたけど、どーせ無理なことは知ってるから何にも期待していない。
免除なら面接に呼ばれるけど、呼ばれてないから意味はない。

免除システムが無くなってから、博士の進学者は大幅に減ったそうだ。
まぁ俺らの代はバイオ全盛だったからなー、。
ただそれを考えても博士は人気がない。少子化も進行する。

もう競争力を上げる前に体力が落ちて朽ち果てていく大学の姿しか浮かばないな

何人かの大学の先生と話したけど
学生なんだからお金で苦労するのは当たり前、と言うスタンスはほとんど変わらない。
お金で苦労と言うより、親にどうやって負担をかけないか?と言う視点はもはやない。

大学関係者ってのは、自分の世界に籠もりがちなんだろう。
一回、外の空気を吸っておくべきか。
自分が理想とする男となる為に。
実際、会社の人達は色々居るけど、それでも社会で生きてる。
そう思う。

・・・・・・なんせ

挨拶ができる!!!!

それすら出来ない人間の多いこと・・・・>大学人

3.研究
行き詰まっていた。
まぁ結果は同期の連中の中でも出ていた方だけど、とある教授に振り回されて
最後は全然まともに進まなかった。邪魔されなかったらなー・・・・今でも思う。

自分の研究が嫌いだとも好きだとも思わなくて、博士号を取る為の訓練だと割り切っていた。
自分がしたい研究はもっと別のものだったから。
それでも手を抜くつもりはないから、必死に研究をしてたら
教授が乗り気になって、ガシガシ口を挟んでくる。そして段々自分の研究がどうでもよくなる。
どーやら口を挟まれるとそっぽをむく性格らしい。

たたみ掛けるかのように、殆ど同じテーマと言うより同じテーマで後輩が研究を始める。
教授の言うことをあまり聞かない俺に業を煮やした教授が強引に手を付けさせたらしい。
(他人の結果を後追いをさせて何が楽しいんだ??と俺は思った。)
実験材料は、俺が出した。
その人(後輩だけど年上)は嫌いじゃないし、むしろ良い人だったから。
もしこの世界でのし上がりたかったら、蹴落とさないと駄目だったんだろうな。

こりゃ・・・この世界、特に実験系に向かないな。
そう思ったのが博士3年の春頃。

徒弟制度が生きてる世界だと、上に座った人間に左右される。
幸いなことに、会社は縦も横も繋がりが色々できはじめるし
上司が異動もすれば、自分も異動する。
今の上司は、最初冴えないなと思っていたけど、、、

・・・・自分が知ってる中でもかなり上位に入るくらいできる人間だ。

話しを戻すと

医学系だった俺の部屋は上意下達が絶対だった。
それでも俺は意見は言ったけど、今時の周りの学生は下を向いて黙りこくる
そして不満は内にこもる。
雰囲気も悲惨になり始めていた。
俺の後輩連中に自己研鑽と言う言葉はなかったみたいだ。
まだ言い返す俺は、良くも悪くも認められていた。
直属の指導教官は笑いながら言ってたっけ。

教授は残るものと思いこんでいたようだ。
内定を貰うまで、俺は報告しなかった。

残したいなら条件交渉でもしてこい

そう思っていたくらいだ(笑)

あとで聞いたら400万くらいがうちのポスドクの給料らしい。
それでも今の博士研究員としては、かなり良い方。
会社に入ったけど、多分、来年には越えるな・・・・余裕で。
と言うか、ボーナスとか入れると今年で越えるかもしれない。

これで任期制で、しかも教授の言うことを丸々聞かないと生き残れないなら
何の為のアカデミックなんだ??

企業に入って

正直な所、大学の方が気楽だと良く分かる。
8時半から始まる会社は、神経がぴりぴりする。
一時も息が抜けないし、抜く場所なんて何処にもないかな。
食事の時間は決まってる。隠れて一休みの場所はない。
ネットサーフィンなんてとてもとてもw
それでも日経見たり、PubMedみたり、調べものには使うけどね。
ゴムはたまにはゆるめないと。
まだ仕事の生活リズムにはなれていないのが大きいかな。

あと仕事は期限付きだから、計画はよく練る。
しかも営業が振り回してくれてる・・・。
営業が直接開発に仕事を持ってくるから、課長も把握してない仕事がぽこぽこ来る。
不満が少々顔に出ていたらしい。
課長に二人っきりになった時に聞かれた。
思う所(命令系統の欠点)を言ってみた所、課長も把握していたらしい。
部署の会議で変わることになった。
仕事を上手く割り振って、部署で取り組んでいくことになった。
命令体系を変えるところは、柔軟性に富んでるなぁと思う。

とは言ってもまだ新人だから、そんなことより目の前のことを呑み込まないとな。
ただ仕事量をコントロールできない先輩を見ていると歯がゆいけど。

研修は豊富だ。
コーチングの研修やら、昇進するともっと色々あるらしい。
自己研鑽はしやすいし、大学の連中にも研修は受けさせるべきだな。絶対に。
準教授になる為にこれだけの研修が必須とか、そういうのはあるべきかもね。

でも8時には「帰れ!」って命令が来るだけでも、体調管理は最優先してくるのがわかる。

ただ頭は使わない。
正直な所、考える前に行動している状態。
それでも考えてる方らしく、一人の先輩に感心された。。。。
まー、3年間考え続ける生活だったからなー。
教授との駆け引きでも色々勉強したし、色々あったからそれなりに不満の自己昇華も出来てる。
それなりのノウハウは得ていたようだ。

今は彼女と結婚の段取り話をするのが楽しい。
今の家で一緒に暮らすかと思うと、この選択肢も間違いじゃない。
そう思う。

生涯に稼ぐお金も
人生の目標を一つ失ったかもしれない

博士号は捨てた

けど、大事なものをきっちり掴んでいると思う。
博士号なんて無くても生きていける。

Drと名刺に書くことはできたけど、俺は普通にMrにした。
本当にDrと認めてくれるならば、自分から口にしなくても相手は認めてくれる。
俺はそう思う。

分野は分子生物学で、今の仕事は完全に化学だ。
学部は合成化学だったけど、その経験は殆ど生きていないのも面白い。
なのに普通に仕事をしているらしく、驚かれていた。
来年、一人くらい博士卒の学生採らないかな?(w

大学教員の父親が科学界に残ることを勧めなかった。

就職の話しをまだ親にしていない時、
父親が母親に言っていた言葉が

「しばらく、あいつに生活援助し続けないとあかんかもな・・・」

お勧めしないものでも余り口にはしない父親

就職を決めた時に「無駄な投資をさせてもた」と言ったら

「後を振り返るな」

そー言われた時、少なくとも3年間磨いた知識じゃなくて、経験を活かす場面を作ろうかなと思った。
あとは孫を見せつけること、かな。

余談。
部長(扱い)の人に言われた。

課程博士だろ???

知らないことがいっぱいある。

それを知ってるのが博士なんだ


業績があるから博士号を貰うのは論文博士で良い。

そー言われた。
ちなみに、その人も博士号を持っている。

とある海外の研究者にも言われた。

Thesisをdefenseして、審査員がそれを認めてサインすれば博士だ。

博士って・・・なんだろうね。
ただ言えることは、博士号の価値は暴落していて
科学界の研究者の存在を社会は認めてなんかいない。
いますぐ役に立つ研究をするのが科学界の研究者らしい。
企業研究者の方がそれなら役に立つけどな、どー考えても。



何にも推敲せずに書いてみた。
誰も読まないだろうけどw

今、自分の夢が終わったことを確認する為に。
5月27日 早朝


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進路未定、進路未決定、進路決定不可。 [研究]

気付いたら2ヶ月以上もBlogを更新していない・・・・_| ̄|○

現在はそんなこんなで分子生物学会のポスターを用意した後、

個人的なイベントも色々あって投稿用論文を書いてる状態。
(バイクも野球もバスケも色々ありました・・・・)
(学会も大して得るものがなかったし、パソコンは不調になるし)

そして、9月か10月には博士号学位取得の為の予備審査、年明けには本審査。


目が回りそう・・・・。


事実、最近、立ちくらみが連発です。

多分、軽い鬱ヽ( ´ー`)ノ 再発してるかもwww

まぁ今の自分なら克服できるはずだけど。

研究グループの一番上に位置する教授からのプレッシャーは日増しにきつくなって

勝手に他の助教授にハーバードと自分の研究を共同研究にされて

自分の教授は忙しくて研究室に居ないから話しもろくにできなくて、

それぞれの思惑が入り乱れて研究の方向性がフラフラするし、オチが付きにくい状況。

結局、最後には自分の身に降りかかるのに、上の教授・助教授の顔色を伺ってしまう・・・・・。

周りの人が言うには、学位取得は大丈夫だと言ってくれるけど

半期の上の人より早く卒業してしまうと言う可能性に、悪いことをしてる気までしてしまう。

・・・・・・・・自分のせいではないのに。

今の研究所は、自分が入った時には学生は少なくて、研究員が多かったけど今では学生が多い。

学生に人件費はかからない。むしろ授業料まで納めてくれる金づる。

研究員ってのは既に学位号を取得して、他の大学なり充分な教育を受けてきた、あるいは自育して来た人達なので、うるさく言わなくても充分に研究遂行能力がある。

その弊害か、「博士課程の学生を教育する」と言う意識が教授達に極端に欠けていて、

黙って従え、あるいは結果だけを要求する風潮がものすごく強い。。。。

普段は細かい所まで見ないけど、審査の際には突然うるさくなったりする。

悪いことに、そんな環境に放り出された学生はへりくつと愚痴ばかりが増えてしまう・・・。

俺もそんな一人だった。

自分の卒業後の進路は未定だ。

そんなことまで考えられず、眼前の予備審査のことばかり。

どーやって食べていこう。

卒業後はアメリカに渡って二度と帰って来ないような人生か?

それとも職がなくて、アルバイトで食いつないで行くような人生か?

上の人達の思惑に振り回されて、研究の情熱まで失いかけてる。

なんで研究者になりたかったんだろ・・・・。

凄い人達と、凄い研究と、凄い事実と、

そんな「凄い」ばかりに出遇いたくて、参加したくて、

この世界に残ろうと決めたんだけどなぁ。

目の前に繰り広げられてるのが「権力」と「金」と「雑務」と「不条理」

うちのオヤジもこんな世界で生きてきたのか?

って、訊いたら・・・・・

「ワシらには、学生は足手まといにしかならんし、金もかからん。雑用は多いけどなぁ~」

だ、そーな。

分野違えば、分化、じゃなくて文化も違う。


今週から週一回のミーティングが再開。

何にも学生から意見のでないミーティング

失敗実験を笑って流すだけのミーティング

教授が単に結果を知りたがり、都合の良い結果から好き勝手に妄想を語り始める為だけのミーティング

複数の教授が座っていながら、権力を持った一人だけが好き勝手に喋り続けるミーティング

学生は座って、黙ってるだけのミーティング

ある種、御前会議とも言える

僕らはそれを自分たちのグループ名にちなんで、

「欠陥(血管)ミーティング」と呼んでいる。


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【科学ネタ】「透明マント作れます」英の学者ら開発理論 [研究]


http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060526i307.htm
以下、引用。読売新聞から。

>光の進む方向を制御できる特殊な微細構造を持つ複合素材を開発できれば、
>川の水が丸い石に妨げられず滑らかに流れていくように、光が物体を迂回(うかい)して進む。

あれ?この場合、光の直進性はどうなるんだ??

>教授らは、手始めに特定の波長に対する“不可視性”を持つ素材の開発に挑むという。
>透明マントが実現すれば、軍事技術として利用できるため、研究は米国防総省が支援している。

特定波長の不可視性なら何とかなるかもしれないけど、透明マントはどーなんだろうなぁ・・・・。
サイエンスに出てるらしいので、チラ見決定。


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【科学ネタ】人工網膜「光」見えた 国内初、阪大グループが試験成功 [研究]

元ネタはココ。
http://www.asahi.com/science/news/OSK200602080036.html

しっかし凄い技術ですね。
もっとも目の視覚の仕組みの解析が進んだことも大きな理由ですけど。

田野保雄、不二門尚 両教授の下の研究みたいですけど。
どっかに論文出てるのかな?後でpubMEDでも見るかな。

■記事より引用。
グループは、2010年ごろの実用化を目指し、眼鏡などにつけた小型カメラの画像信号を眼球裏のチップに伝えるシステムを開発する。また、指の本数や字を見分けるためには、チップの電極を100個程度に増やす必要があるという。

この治療法が発展する技術として、人工網膜チップを作る技術と、視覚の仕組みを明らかにした研究者達の積み重ね、さらにそれを応用する技術(手術技術?)とが重なり合ってやっと道が拓けた訳だろうけど。

いずれ専門分野で手術学って必要なんじゃないだろうか?
つまり頭脳じゃなくて、手先の器用さを行う分野=巧み
頭脳ばかり評価されてるけど、手先の器用さって頭脳並みに評価されて良いと俺は思う。
幾ら優秀なチップがあっても人体に無害に埋め込むのに100年以上は機械に頼れないだろうし。

いつも医療分野に近い分野で研究して思うのは、物理、化学、言い換えると理学、工学の発展が重なって最後に扉を開ける役割を持った分野なんだなぁと思う。
工学の分野から来た人間の感想だから、他から見たらどうおもうか分からないけど。

ちょっと専門から懸け離れてるので深い話は無理かな。

いずれ人間の体の一部分が機械に置き換わる時代が来るだろうけど、
人々はそれをどこまで受け入れられるんだろうね?
自分が死んでからの世界を想像するwht-flagでした。

PS
こんな事言うとアレだけど、科学分野の記事は朝日新聞と毎日新聞が先端走ってるなぁ。
日経は経済の分析に組み込まれるし、読売はいまいち、つーか科学分野に限ると三流。


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【時事ネタ】精原細胞:オス1匹で子孫 絶滅危機の種、保存に有効--東京海洋大、ニジマスで実証 [研究]

これからサイエンスネタは研究系に分類しようかな。

元ネタはココ。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060207ddm003040101000c.html

米科学アカデミー紀要に掲載されるというので、ちらっと見てみようか。

とは言っても読んだ瞬間、哺乳類はXY染色体で性が決定されて、
ヒトの場合は未分化の生殖細胞にあるアンドロジェンレセプターとエストロゲンレセプターが、
それぞれの性ホルモンを浴びる量で生殖機構が発達するんじゃなかったっけ?

まー、だから最後の三菱化学生命科学研究所の研究員の方が仰ってるように哺乳類は無理だな。
鳥類はZW染色体(ZWがメス、ZZがオス)だとこの前、セミナーの先生が仰って居られましたが。

ニジマスの性決定機構が分からないから何とも言えないけど。
魚群の中が全員メスなら、一番大きいのがオスになるヤツもあるらしいし・・・。

まずは魚類の一部で可能だと言うのは進歩かな。
そこらの池に住むメダカだって、地域ごとに塩基配列が保存されてるって言うし。

もっともそこまで応用するだけの余力が研究機関にあるのだろうか(苦笑)
もはや手遅れのが出てくるだろうなぁ。


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ES細胞(胚性幹細胞)の捏造話、雑感あれこれ [研究]

とかく捏造が多いこの生物の世界。(特に分子生物学系)

覚えている人が居るかは分からないけど、
大阪大学医学系研究科の下村教授を代表とするグループ
東京大学工学系研究科の多比羅教授を代表とするグループ

日本でも世界的に代表的な研究者がその名を汚すことがある。

今回の韓国の黄教授の話題は新聞で報道されまくり。
(下のURL参照)

っつーのも胚性幹細胞の研究が再生医療や生命科学分野で非常に注目されているからだ。

■朝日新聞
ES細胞捏造論文、独自の判断で削除も 米サイエンス誌
http://www.asahi.com/science/news/TKY200512240217.html
ES細胞「論文データは偽造」 ソウル大調査委
http://www.asahi.com/science/news/TKY200512230164.html
ES細胞研究の黄教授、他の成果にも疑惑 韓国メディア
http://www.asahi.com/science/news/TKY200512200467.html

■読売新聞
黄教授の論文、編集判断で削除も…米サイエンス誌
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051224it11.htm
ソウル大調査委「ES細胞論文はねつ造」黄教授辞意
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051223i203.htm
黄教授がES細胞の確率データも偽造…共同研究者暴露
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051220i216.htm

■毎日新聞
ES細胞:黄教授論文ねつ造 韓国政府も窮地に 盧大統領の支持率に影響
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20051224ddm007040090000c.html
ES細胞:論文は「ねつ造」とソウル大 黄教授、辞職へ
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20051223k0000e030038000c.html
ES細胞:写真偽造認めた研究者を告発 ソウル大の黄教授
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20051223k0000m030116000c.html

■なぜ捏造が多い?

答えは簡単。

その一つの理由として、捏造がしやすい。
特に最近はコンピュターの性能が上がり、「画像処理」等という操作が簡単に行える。
分子生物学の世界は一般に実験結果を「画像」に残すことが多い。

俺がしている実験操作も、昔はX線フィルムで残していたモノが、
今じゃ専用のフィルムからスキャナで取り込んで最終的な実験結果はコンピューター上にまず出てくる。
X線フィルムなんかに残らない。(蛋白の実験なんかは残すけどね)
だから画像をプリントアウトして、日付を入れてノートに貼らないと疑われてしまう。
(それでも疑えるけど)

画像で処理できるから、いくらでも似た画像から加工できる。
これが下村教授のグループがやった捏造理由の一つだと思う。

■ノートを残す習慣が薄い
化学系の研究室から生物系に移って来たけど、生物系の連中はとにかく実験ノートの取り方がメチャクチャ。
追試不可能な書き方に、条件さえきちんと残っていない時がある。
化学系で少しはやってきた人のノートは非常に見やすい。
少なくとも、
「実験番号」

「実験目的(実験タイトル)」

「参考文献あるいは過去実験(必要ならば)」

「実験プロトコル」(省略する時は、参照の文献や過去の実験番号を記したりする)

「実験結果」

「考察」
は必須なのだけど、取らない人が多い。
ベンチャー企業の特許で、実験の結果が必要な時はここに「日付」と「第三者のサイン」何かが必須
(裏にカーボンコピー付きのノートを渡す場所もあると聞いたことはある。)

でも日本の生物学系でここまで徹底的にやれてる研究室なんていくらあるんだろ?
周りを見る限り、酷いモノだ。
化学系の方がここら辺は徹底してることが多い。(やってない研究室もいくらかあるけどね)
少なくとも大阪大学はやってたな・・・・。
そこら辺がノーベル賞なんかの結果にみてとれる気がする。
(無名の凄い化学系の研究者は多い。もっとも生物でも居るけど。)
これは捏造をする研究室全てに共通で、「できていない」

やれない研究室、指導できない教授が居る場所はいつでも捏造が行われている可能性が捨てきれない。
だから「他人の実験結果は信用しない」のは、この生物の世界だと、一つの教訓かも。

■この分野はミーハーだ

どっかの追っかけアイドルのファンみたいだけど、この分野はミーハーだ。
3年前の実験結果は古くて、5年前は大昔。
5年前の最新技術は、今じゃスタンダードで10年後にはないかもしれない。

だから、注目分野なんかでは競争が凄まじく激しい。
お金もかかる。うちの研究室は裕福な方だから2000万はあると思うんだけど。
前の研究室は化学系なのに3~5000万あった金満ラボwww

お金は国からとその他とで取ってくるんだけど、実績が無いとお金は取れない。
実績と知名度は比例するし、有名になるほど研究に使えるお金は入ってくる。
取ったお金は、1年(実質、国会の予算編成やら何やらで1年もないけど)で使い切り。

最近は、科研費の分配が悪い意味で「ばらまき」から「集中型」になったから金が途切れると大変なことになる。
【例】
昔は、地方大学に20研究室、旧帝大に20研究室あって、その内予算を手に入れられるのが10研究室。
今は、その内予算を手に入れられるのが、地方大学が2、旧帝大が20
こーいうと分かりやすいかな??>悪い意味での「ばらまき」と「集中」

さらに悪いことにお金がないと「追試できない」ことが多々あり、「生き物」と言う不確定要素が多い実験試料は、いくらでも良い訳ができる。
【例】カビが生えた。>ES細胞でも使ってるなwww

黄教授の分野は世界のトップがしのぎを削る分野だから、プレッシャーも凄い。
だからと言って、捏造は科学の信頼性を失わせるんだけど。
彼の罪は重いだろうなぁ・・・。
1.部下に捏造を強制したこと。
2.胚性幹細胞という生命倫理で未だに議論されている事で問題を起こした。
3.国家・国民への背信

さて、、、、
他にも幾らでも理由はあるんやけどね>捏造発生源
一番大きいのはこんな理由かなぁ。

そろそろ寝よう。


【続】大動脈瘤の縮小に成功 発症仕組み解明し新薬に道(11/28) 朝日新聞より [研究]

ギャグとまで書いてしまったので、論文引っ張り出してみました。

元記事のabstractはココ。

http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/abs/nm1335.html

研究背景を簡単に言うと、大動脈瘤(動脈が破裂するアレですな)では外科手術が一般的だけど
手術が出来ない時には、薬投与が一般になる・・・・

ってのがありません。

薬剤投与ができないので、ココまでニュースになるんですね。

研究グループのターゲットはVSMC(vascular smooth muscle cells)です。
これは、血管内皮細胞(輪っかの中の一番中の部分で、血液に直に触れている部分)
の下にあるヤツです。本当は、間に内腔ってのがあるんですが、分かりにくいでしょうから割愛。

血管の裏打ちの役割を果たしている細胞ですね。
ここを支える細胞外マトリックス(collagen,elastin等)が壊れて、血管がふくれて、破裂するという訳ですな。(イントロを読んだ感じではww)

JNKなんて、シグナル伝達の何でも通る場所やのに、なんでそこまで注目されるんだ?
と思ったけど、あえてココに注目したらしい。

で、読んでいくと、
まずJNKの一個上に存在するcaMKK7をアデノウィルスを使って強制発現して、DNAチップ解析。
JNKのdominant negative(大量にあるけど、メイン機能は持っていないってヤツ)をDNAチップ解析。(caは分かる人は分かるだろうけど、constitutive activeです)
ここで、内在性JNKだけの効果を絞り込んだ結果、今まで大動脈瘤に関わる遺伝子拾ってきたと。

・・・・MKK7だけ??MKK4??p38を動かすためかなぁ。
で、なんでJNKだけを純粋に強制発現系にしないんだ??
JNK1,2の2つに絞れば良いだろうに。
本人達もJNK2に注目している見たいなんだけど。

まぁ取り敢えず、スクリーニングとしては及第点だし、まぁいいや・・・。

で次を読んでいくと結構強力な結果。
免疫染色でpJNK(JNKが実際に昨日する形。リン酸化されている)とMMP9が大動脈瘤の患者の動脈で同時に染まるとさ。ちゃんとERKとp38との関連性はみているっぽいし。
でもGAPDHで蛋白のinternalControlはとって欲しくないなぁ。。。。。

気になるのが、SP600125って薬剤。俺は使ったこと無いな。
なんせJNKのインヒビターって特異的なのがないって話なんだけど。
・・・・・・これって認知されてるの??

取り敢えず、cJUNのリン酸化は見てるみたいだけど、JNKって他のもリン酸化するからどーなんだろう。
JNKと来たら、AP-1(cJUN,cFOSの複合体)を見るのも話としてはアリなんだ思うんだが。
cFOSを一切見ておりませんなwww
AP-1like complexを最近よく見るのに。

つーわけで、JNKをSP600125で押さえるとMMP9と2にしろの抑制が掛かるし、LOXのmRNAが上がるのは良いのだが・・・・
そーなるとコレらの遺伝子の転写調節領域にAP-1の結合領域があるのか、あるいは他の転写因子が動いてるのか、そこら辺は気になりますな。
ちゅーかSerumStarvationで動くって、、、、、SREBPとかどーなってるのかなぁ。
・・・・単なるアポトーシスにならん???状況証拠としては弱い気もするけど。

どーなん???>平滑筋細胞屋の方々

まぁAngIIとか試す前に、JNKのインヒビターに蛋白のとか売ってたし、DNAチップ解析できるくらいならRNAiとか出来ない???
だいたいマウスに薬剤投与したら、内皮にも効くし、平滑筋にも効くし、他のT細胞とかにも効くだろうし、JNKに落ち着かせようってのが無理矢理だなぁってのが感想。
まぁ始まりがJNKなんだろうけど・・・・・・。

それでも一つのBreakThroughではあるから、充分なSP600125による結果だとは思う。
だけど、JNKとSP600125の繋がりが非常に弱い気がするんだけど。

つーか、内皮のJNKか平滑筋のJNKかマクロファージとかのJNKなのか

ひっじょーに気になりますwwww
全部取れるレベルだろ、見ろwww
(内皮はまぁ難しいけどね・・・)

もう少し裏を取れないかなぁ。

いえ、大動脈瘤の医療現場での背景から鑑みれば、充分な前進した結果だとは思います。
ただ・・・・論文のストーリーが最後に無理矢理に分子レベルに落ち着かせようとし過ぎて・・・・・・・
最初は結構奇麗やのに。

ちょっと気になった。


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大動脈瘤の縮小に成功 発症仕組み解明し新薬に道(11/28) 朝日新聞より [研究]

元記事はこっから。。。

http://www.asahi.com/science/news/TKY200511270195.html

多分、細胞内のシグナル伝達をやってる人が読んだから・・・・

ギャグ?

って思うかもしらん。

この場合、JNKが大事なのではなく、その下流が大事なんじゃなかろうか・・・・・。
JNKも1から3まであるし、その下流遺伝子って幾らあるんだが・・・・・┐('~`;)┌

免疫細胞マクロファージの分泌する分解酵素によって過剰に分解

ってあるけど、さてさて・・・この酵素なんだろうなぁ。マクロファージから分泌ねぇ。。。。

φの遺伝子はそんなに詳しくないんよな・・・・まだまだ甘ちゃんなんで。

NMに発表って、まぁ下手な論文ではないんだろうけど。


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奨学金 [研究]

日本育英会が、独立行政法人化して日本学生支援機構になりましたが

何が一番変わったかと言うと、

研究教育機関に就職した場合は、返済の猶予や免除があったのに

それがなくなったことですね。

完全になくなった訳ではなく、自分の出身大学だと

博士課程の10%の人数が全額免除

90%は全額返済

もー、All or Nothingです。

どれくらいの金額が違うかというと、

121000x36=?

電卓ででも計算して下さい・・・・。

元々返して当たり前のものなんやけど、

全額返済と全額免除じゃエライちゃうやんヾ(´Д`ヾ)オイ

社会に出た人生の出だしに借金が400万以上あるのと無いのとじゃ

嫁が来る成否に関わるではないか(違)

せめて、段階付けて欲しかったなぁ。

露骨に勝ち組と負け組分けなくても(笑)

1%8割減額 5%が5割減額 みたいな・・・・。

で、コレが実施されたのは丁度、俺らの学年から。

半期上は研究教育機関に残れば全額免除の可能性が残ってるんよなぁ。

下の学年からは、別の奨学金枠があるのに。

なんで?┐('~`;)┌

不遇の学年ですww


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